商法第684条(定義)の解説




商法 >> 第三編 海商 >> 第一章 船舶 >> 第一節 総則
(定義)
第六百八十四条
この編(第七百四十七条を除く。)において「船舶」とは、商行為をする目的で航海の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。)をいう。

解説

船舶とは

一般的に、船舶とは水上を航行する用に供される構造物をいいます。これを、広義の船舶といいます。

商法上の船舶は、広義の船舶のうち、商行為をする目的で航海の用に供する船舶に限定されます。これを、商行為船(商船)といいます。

ただし、船舶法第35条の規定により、商行為をする目的をもたずに航海の用に供する船舶についても、商法第三編(海商)の規定が準用されます。つまり、商法の適用範囲が、商行為船(商船)以外の船舶に拡大されています。

船舶法第三十五条
商法第三編ノ規定ハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テセサルモ航海ノ用ニ供スル船舶ニ之ヲ準用ス但官庁又ハ公署ノ所有ニ属スル船舶ニ付テハ此限ニ在ラス

商法が適用・準用されない船舶

次の2種類の船舶については、商法第三編(海商)の規定の適用・準用の対象から除外されます。

①端舟(たんしゅう)その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟

これらの船舶は、きわめて小型の船舶です。

商法第三編の適用除外となる理由(趣旨)は、小型の船舶に対して海商法を適用することで、所有者に酷な結果となるためです。

端舟(たんしゅう)とは、航行推進力として機関または帆を使用しない舟をいいます。具体的には、手漕ぎのボート・小舟・端艇(たんてい)・カヌーなどのことです。

ろかい(櫓櫂/艪櫂)とは、手で漕いで舟を進める(人力により船の推進力を得る)ための道具のことです。具体的には、艪(ろ)や櫂(かい)、ボートで使うオール(oar)、カヌーで使うパドル(paddle)などのことです。

②官庁または公署が所有する船舶

官庁または公署が所有する船舶(公有船舶)に対して、商法第三編の規定は準用されません(船舶法35条ただし書)。

官庁または公署が船舶を所有する理由は、公用の目的を達成するためです。そのため、官庁または公署が所有する船舶に対しては公法が適用され、私法である商法の準用対象から除外されます。






口語化前の条文

商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律(平成30年法律第29号、平成30年5月18日成立・同年5月25日公布)により、商法684条は口語化されました。

下記は口語化前の条文です。

商法 >> 第三編 海商 >> 第一章 船舶及ヒ船舶所有者
第六百八十四条
① 第六百八十四条本法ニ於テ船舶トハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テ航海ノ用ニ供スルモノヲ謂フ
② 本編ノ規定ハ端舟其他櫓櫂ノミヲ以テ運転シ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運転スル舟ニハ之ヲ適用セス





海事代理士試験対策の勉強のポイント

筆記試験

海事代理士試験での出題にそなえて、学習しておきたい内容はこちらです。赤字の語句は暗記して、試験で書けるようにしておく必要があります。

  • 商法において、「船舶」とは、商行為をする目的で航海の用に供する船舶をいいます。

(最終更新日:2018年6月23日)


次の条文:商法第685条(従物の推定等)


前の条文:商法第1条(趣旨等)


商法


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