(従物の推定等)第六百八十五条1 船舶の属具目録に記載した物は、その従物と推定する。2 属具目録の書式は、国土交通省令で定める。
解説
属具とは
船舶の常用に供するために船舶に附属するが、独立の存在として権利の客体となる物を、属具といいます。
具体例としては、丹舟(たんしゅう;救命ボートなど)、羅針盤、海図、錨(いかり)、救命具(救命胴衣(ライフジャケット)、救命浮環など)、信号器具(信号紅炎など)等があげられます。
船体、甲板(かんぱん;デッキ)、主機関(メイン・エンジン)などは船舶の構成部分であるので、属具ではありません。
従物とは
ある物(主物)の常用に供するため、その物(主物)に附属させられた物を従物といいます(民法87条1項)。
主物と従物は、同一の所有者に属します。ある物に附属させられた物が、別の所有者の物である場合には、従物にはあたりません。
従物は、独立の物でなければなりません。大雑把に言えば、従物は主物から取り外しが可能である、ということです。
従物は、主物の処分に従います(民法87条2項)。このことを「従物は、主物と法律的運命を共にする」と表現します。
属具目録の書式
属具目録の書式は、国土交通省令で定めます(商法685条2項)。
現行の国土交通省令は、明治三十二年逓信省令第十九号(商法第七百九条ニ規定スル属具目録ノ書式ノ件)です。
口語化前の条文
商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律(平成30年法律第29号、平成30年5月18日成立・同年5月25日公布)により、商法685条は口語化されました。
下記は口語化前の条文です。
第六百八十五条船舶ノ属具目録ニ記載シタル物ハ其従物ト推定ス
また、商法施行法130条が削除され、同条を口語化した条文が商法685条2項に新設されました。
下記は口語化前の条文です。
商法施行法第百三十条属具目録ノ書式ハ国土交通省令ヲ以テ之ヲ定ム
海事代理士試験対策の勉強のポイント
筆記試験
海事代理士試験での出題にそなえて、学習しておきたい内容はこちらです。赤字の語句は暗記して、試験で書けるようにしておく必要があります。
- 船舶の属具目録に記載した物は、その従物と推定します。
(最終更新日:2018年6月23日)
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