条文
日本国憲法 >> 第1章 天皇
〔天皇の権能と権能行使の委任〕
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
4条1項の解説
趣旨
日本国憲法4条1項は、天皇の権能の限界を定めた規定であり、天皇の政治的中立の原則を明らかにしている。
国政に関する権能
「国政に関する権能」の意味について、次のような解釈がある。
- 国政についての実質的な決定・関与権(戸波江二(1998)『憲法(新版)』ぎょうせい)
- 立法権、行政権、司法権のような統治権を行使することや、それに影響を及ぼすような行為をすること(東洋経済オンライン:天皇陛下「おことば」が国民に投じた重い宿題(伊藤建弁護士の発言))
国事に関する行為(国事行為)
「国事に関する行為」(国事行為)の意味について、次のような解釈がある。
- 政治(統治)に関係のない形式的・儀礼的行為(芦部信喜(2011)『憲法 第五版』岩波書店)
- 実質的な決定権を含まない名目的・儀礼的な行為(戸波江二(1998)『憲法(新版)』ぎょうせい)
「国事に関する行為」(国事行為)の具体的な内容については、憲法6条、7条に明記されている。これらに加え、宮内庁のページ(天皇 – 宮内庁)では、憲法4条2項の「国事行為を委任すること」を国事行為として列挙している。
4条2項の解説
参考文献
芦部信喜(2011)『憲法 第五版』岩波書店
戸波江二(1998)『憲法(新版)』ぎょうせい