商法第537条(自己の氏名等の使用を許諾した匿名組合員の責任)の解説

商法 >> 第二編 商行為 >> 第四章 匿名組合
(自己の氏名等の使用を許諾した匿名組合員の責任)
第五百三十七条
匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。

解説

趣旨

本条の趣旨は、外観法理に基づき、営業主体を誤認して取引した相手方を保護することにより、取引の安全を図ることにあります。商法14条の名板貸人の責任と同様の趣旨です。

相手方の誤認について

商法14条や会社法9条、588条1項の場合とは異なり、本条では相手方の誤認要件が規定されておりません。

この点につき、学説では、相手方の善意悪意を問わないと解する見解(大隅健一郎『商行為法』)と、誤認していない者に責任を負う必要はないと解する見解(西原寛一『商行為法』)に分かれております。


試験対策の勉強のポイント

短答・択一式試験

司法試験(予備試験)、法科大学院入試、公認会計士試験、司法書士試験、行政書士試験等の法律資格試験での出題にそなえて、学習しておきたい内容はこちらです。

  • 匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負います。

(最終更新日:2018年6月3日)


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商法


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